偶然日記

いまのテーマは愛と適切な距離感♡

きれいに生きた者が勝ち

雨の日はバスが混む。

女子中学生の隣に腰を下ろし、

その小さな頭越しに窓の外のつややかな緑を眺める。

 

きれいに生きた者が勝ちなんだ、

ふとそう思う。

 

そのちょっと前、

雨の中、停留所にて、バスを待っていた。

乗車するバスが近づいてきたのを見て、

早く乗り込めそうな場所へ移動した。わたしの様子を見てほかの待ち人たちも場所を移っていた。

 

だがバスはわたしの予想を外れてずいぶん前方に停まった。

移動しなければ、一番乗りできたのに。そしたら一人掛けの席にも座れたのに。

悔しくなる。しかし、バスに早く乗り込みたいと、席を我先に確保したいからと、どこか必死だった自分の意地汚さに気づき、はっとする。

反省したわたしはほかのバス待ち人たちが先に乗り込めるよう、わざとゆっくりめに歩き、最後に乗車した。

 

それでもまだ悔しかった。そんな小さなことでも、やたら気をつかって疲れた日の帰り道など、やっぱり堪える。

 

ただ、雨は、気持ちをするすると鎮静させてくれることがある。

ふっと静かになった心で、濡れてよりあざやかな木々を眺めていたら、

 

きれいに生きた者が勝ちなんだ、

ということばが浮かんだ。

 

なるべく純粋で、きれいな心を保ち生きていれば変なことは起こりにくくなるし、いい風が吹く。

 

そんなことを、思った。

 

バスを降りるときは運転手さんに「ありがとうございました」と言うことにしている。

きのうは

「こちらこそ~」と返されて、

その意外な返事と口調のやわらかさにすこしおどろいた。

とっさにその言葉が出るなんて、きっとやさしいひとだ。

そしてそういうきれいなやさしさこそが、こまめな掃き掃除のように

あらゆる空間をうつくしく保つのだとおもう。