偶然日記

いまのテーマは愛と適切な距離感♡

吸いこまれる文章を書くひと

 

ページを開いて、文字列を目で追うだけで、

なんだか頭の中が

「しん」

とする文章を書く人がいる。

 

宮澤賢治の詩は、

意味の分からない言葉がたくさん出てくるのに、

吸い込まれて「しん」となる。

 

 

新版 宮澤賢治 愛のうた

新版 宮澤賢治 愛のうた

  • 作者:澤口たまみ
  • 出版社/メーカー: 夕書房
  • 発売日: 2018/04/24
  • メディア: 単行本
 

 

(いまこの本をぱらぱら読んでいます、紙の手触りなど、装丁もすごくすてき。)

 

 

もたない男 (新潮文庫)

もたない男 (新潮文庫)

  • 作者:中崎 タツヤ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/05/28
  • メディア: 文庫
 

 

 

「じみへん」の作者のこのエッセイも、目で追うだけで心が鎮静してゆく。

 

内容じゃないんだ。(ちなみに内容はとにかく捨てたくてたまらない、捨てたい病の中崎タツヤさんの変態的な断捨離の話)

ページから出てくるムードみたいなものが、

ものすごい静かだから、読んでいて頭が「しん」とする。

「我」を感じさせない文章、なのだと思う。

 

 

さいきん近所の本屋さんに行く度、立ち読みしてる本があるんだけど、

 

呼吸をふわっと整える: 整体の極意は呼吸の「間」

呼吸をふわっと整える: 整体の極意は呼吸の「間」

 

 

これこれ。

これもページを開いてぼーっと拾い読みしてるだけで、

頭がしずかになってくる。ふしぎ本。

なんどもいうけど内容じゃない。

この本は整体師の作者が呼吸についていろいろ観て、気づいたことがつらつら書いてある。やわらかい言葉だが内容は結構むずかしく、頭に入ってこないんだがページを開くだけで「しん」となることは確か。

 

読んでいると勇気がわいてくるとか、気持ちが高揚してくる、感動する

みたいな本もすばらしいし大好きなんだけど、

 

読んでいると頭の中が静かになってくる

という本の方が希少な気がする。

装丁の力も、あると思う。ここにあげた本はどれもすばらしい。

 

「鎮静本」

と、呼ぶことにしましょうか。

希少だからこそ見つけたらうれしい。大切にしたい。

 

やっぱり最後の本、立ち読みばっかしてないで、買おうと思います。