偶然日記

いまのテーマは愛と適切な距離感♡

「取ってしまいましょう

取っちゃえば大丈夫すぐ治ります

そういうものなのかそういうものなのだろう

看護師が薄いカーテンを引いて

治療台に横たわるわたしの太ももにピンセットが

触れたと思った瞬間にはもう終わっていた

あっけなく

摘まれ引き離されたわたしのからだの

小さないちぶぶんを

帰る前にせめて見ておけばよかった

絆創膏がズレたのなんか気にしないで」

 

『午後の突起』川口晴美

 

 

ゆメモ

今日見た夢の覚書

クエチアピンっての飲み始めたら夢の中だけ血気盛ん。

 

・・・・・・・

広島駅までお父さん送ってくれる

広場 大きな木

遠くの木のテーブル 突っ伏して寺門さん泣いてる

寺門さんの泣いてる声に合わせて広場の木もうごく

「わたしも自然に触れなきゃいけないんだ」

 

広場 あたりにはたくさんの白いテーブル

ひとつには寺門さんの店で相席になったおばさん

やたらひとりで感嘆しながら黒いノートパソコンいじってる

 

ほかの白いテーブル

知らないおばさん2名

「すいません……」という声がするのでそちらのほうを向くと道順を聞いてくる。

見せてきたチケットには寺の名前と「夢のあとち」みたいなイルミネーションの場所。

どちらも知らない場所なのでそばにいたお父さんにバトンタッチする。

 

お父さんはしたくなさそう。コミュニケーションが苦手なのだ。どもりながら道順を彼女に教える。

わたしはそれをどこかでうれしく思っている。

それが原因なのか、お父さんと激しく言い争いになり、

お父さんが1100円を渡し、

「これでタクシーで帰りなさい」という。

もうタクシーは来ている。

 

せっかく広島駅まで出てきたんだからコンビニか何かよりたかったなー

と思いながらしかたなくタクシーに乗る。

タクシー運転手やばいやつ。名前のところ見たら「加用」(でもこれは別の人の名前)

ススだらけの灰皿磨きながら手放し運転。

 

これ以上こいつのタクシー乗ってたらやばい。

道路の真ん中で、車ビュンビュン走ってる中で「降ります」宣言。

止めてもらい、ノートパソコンの入ってるかばんなどやたら荷物多いけど降りようとする。後ろからどんどん車来る。

わたしへ、詩を贈る

まりなさんへ

 

「聴く力」茨木のり子

 

ひとのこころの湖水

その深浅に

立ちどまり耳澄ます

ということがない

 

風の音に驚いたり

鳥の声に惚けたり

ひとり耳そばたてる

そんなしぐさからも遠ざかるばかり

 

小鳥の会話がわかったせいで

古い樹木の難儀を救い

きれいな娘の病気まで直した民話

「聴耳頭巾」を持っていた うからやから

 

その末裔は我がことのみに無我夢中

舌ばかりほの赤くくるくると空転し

どう言いくるめようか

どう圧倒してやろうか

 

だが

どうして言葉たり得よう

他のものを じっと

受けとめる力がなければ

風景

「どこに座ろうと、そこで僕は生活できる。風景は僕から展開してゆく」

 

『森の生活』ヘンリー・デイヴィッド・ソロー

 

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今日飲んだお茶。

台湾の、「凍頂龍眼金萱(とうちょうりゅうがんきんせん)」。

香ばしくあったまる。

朝は生涯記憶に残しておきたいほどの粉雪。

「言葉はヴィールスのように人を侵しつづけ、沈黙という抗体すらもう役に立たない。書物はパンドラの箱、だが今さらページを閉じても手遅れだ。言葉に魂を吸い取られて、人はゾンビのようにさまよっているではないか。」

 

「メランコリーの川下り」谷川俊太郎より引用

詩を書き留めておきたい

できるだけたくさん。

 

「六月のうた」谷川俊太郎

あの日もあなたを好きだったのに

あんなに哀しかったあの日

 

あの日も空は青かったのに

あんなにうつろだったあの日

 

人気(ひとけ)のない公園で

いつまでもぶらんこに座っていたあの日

アルバムにないあの日

日記のつけられなかったあの日

 

いつかはあんなに忘れたかったのに

今は忘れてしまうことが怖しい――

あの日わたしは二十歳だった